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虚像 ― 硝子体 個展
プロジェクトタイプ
Solo Exhibition
日付
2024.02.28(水)~ 03.03(日)
場所
Moon Gallery & Studio
虚像
——「凡有所相,終為虛妄」
本展では、アーティストの硝⼦体によるライフドローイングの⽔彩画と油彩画の個展を開催しています。
硝⼦体の家系は北⽅出身で、軍隊と共に南下し、その後中国の江蘇省鎮江市に定住しました。硝⼦体も鎮江市で⽣まれました。戦争という歴史的な要因から、硝⼦体の本当の故郷はもはや存在しません。硝⼦体にとって、ルーツを象徴する故郷は想像上の存在です。そのため、硝⼦体は⻑年の絵画制作の過程で、朽ち果てたり静かに消え去ることに強い執着を持っています。蓮池のように、冬の枯れた中から夏の豊かな新⽣が⽣まれます。このサイクルの中で、死は常に新しい命を⽣み出し、それが時間とともに再び死へとつながっていくのです。
本展のテーマは「虚像」です。虚像とは、実際の光の収束によって⽣み出されるものではなく、光のスクリーンに映し出されるだけで、⾒ることはできても受け取ることはできない「イメージ」のことを指します。屋外でのスケッチに慣れ親しんでいる硝⼦体は、⽬の前の光景を直接客観的に描写するよりも、その場に居合わせた時の五感の感覚を無意識の筆致で表現することを好みます。絵画を通して、彼⼥は⾃分の魂の居場所を探っています。その居場所とは、⼿の届かない故郷かもしれませんし、その時感じている今かもしれませんし、未来のファンタジーかもしれません。ある意味、これらはすべて「虚像」であり、身近でありながら、真に触れることのできない不思議な存在なのです。
本展の作品には、枯れた蓮やしおれた花が多く⾒られます。硝⼦体は、朽ち果てた⽣命の光景を深くとらえ、深い孤独と痛みを表現しています。彼⼥は絵画を通して、命の儚さや無常さ、そしてこの静かな終焉に直⾯した時の無⼒さと冷静さを伝えています。これらの美しい絵画を楽しむと同時に、死や痛み、そして⼈⽣の意味について考えていただければ幸いです。