薛青麟写真展「405 NOT FOUND」
Tue, Dec 16
|Moon Gallery浅草分館


Time & Location
Dec 16, 2025, 9:00 AM GMT+9 – Dec 21, 2025, 9:00 PM GMT+9
Moon Gallery浅草分館, 2-chōme-35-14 Asakusa, Taito City, Tokyo 111-0032, Japan
About the event
薛青麟写真展「405 NOTFOUND」
薛青麟の写真表現は、生来の鋭い感受性と、内側で絶えず揺れ動く感情の衝突から立ち上がる。
学びや生活といった外界の秩序は、彼女の内に広がる精神世界と決して噛み合わず、その齟齬はやがて、矛盾し、尖り、揺らぐ独自の表現の核をかたちづくった。どこにも安住できず、常にざわめきの只中にいること、その不安定さこそが、彼女を写真へと導いた原点である。都市を彷徨いながら拾い集める微かな光、すぐに消えてしまう気配、自身の震えと共鳴する瞬間である。
写真は、世界と彼女をつなぐ唯一の接点となり、撮るという行為は「正しい方法」を模索し続ける旅そのものとなった。彼女はモノクロームとスローシャッターを偏愛し、内側の揺らぎを外の景色へと反射させる。女性も男性も、力も脆さも、親密さも隔たりも、その全てを等しく受け止め、像として定着させようとする。
本展の中心概念である「405 Not Found」は、彼女が「404 Not Found」と「405 Method Not Allowed」を分解・再構築し得たひとつの解釈である。「見つからない」という不在と、「正しい方法でアクセスできない」という拒絶である。その二つのエラーメッセージは、誤解され、見過ごされ、自分をうまく表現できない痛みと重なり、誰もが抱えうる普遍的な困難の象徴として提示される。
本来、405は「そのアクセス方法は許可されていない」という意味を持つ。しかし、薛青麟はこれを規則への従属ではなく、規則を書き換える出発点として読み替える。屈せず、従わず、馴致されず、世界の端で小さく、しかし確かに成長していくための符号として「405」を掲げるのである。それは彼女の誕生の数字であり、タイムスタンプであり、偏差であり、そして再生の印でもある。
「405 NOT FOUND」は、まだ露光されていない感光面へと触れるための「アドレッシング(addressing)」の試みである。たとえ世界がまだあなたを見つけられなくとも、存在はすでに意味を持ち、あなた自身の世界は少しずつ築かれていく、そんな静かなメッセージが、本展全体を貫いている。
主な作品






