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「思いの部屋」劉芷璇 × 徐尭瑶 二人展

3月12日(水)

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Moon Gallery & Studio

「思いの部屋」劉芷璇 × 徐尭瑶 二人展
「思いの部屋」劉芷璇 × 徐尭瑶 二人展

Time & Location

2025年3月12日 13:00 – 2025年3月16日 17:00

Moon Gallery & Studio, 台東区北上野2-3-13 上野ダイカンプラザ102

About the event

二人展は、「部屋」というテーマを通じ、それを単なる居住空間ではなく、感情の器、思索の場、記憶の保管庫として再解釈する試みである。部屋とは、日常を包み込み、記憶を宿す生活の最小単位である。それは時に落ち着きをもたらす避難所であり、時に個を閉じ込める枠組みにもなる。


劉芷璇と徐尭瑶は、女子美術大学の洋画専攻修士課程に在籍する。彼女らは、それぞれの視点から多様なメディアと表現手法を用い、感情の広がる空間を築いていく。


劉芷璇の作品は、貝殻を中心に展開される。貝殻は生命の住処であり、記憶や幻想を収める小さな部屋でもある。柔らかさと脆さを内包し、閉じたり開いたりしながら存在し、半開きの扉のように内なる物語をほのかに覗かせる。また、インスタレーションと絵画を融合させ、異なる素材の質感や可変的な形態を用いて、空間の中で呼吸するようなリズムを生み出す。鑑賞者はそれに触れることで、思考の軌跡を感じ取ることができるだろう。


一方、徐尭瑶の作品は、個人の成長の記憶を出発点とし、「部屋」を個の意識の投影、さらにはアイデンティティの隠喩として捉えている。彼女は、東アジアの社会構造における女性の位置や成長の過程について探求する。作品は絵画やインスタレーションを含み、女性のアイデンティティや空間との関係について思索する。特に絵画作品は流動的で、交錯する線が意識の軌跡をなぞるように重なり合い、微細な感情の変化を内包している。


本展の展示空間は、思索によって築かれたひとつの「部屋」のようである。鑑賞者はその空間に足を踏み入れることで、二人の異なるが共鳴し合う精神的な場へと誘われる。探索と静止の狭間で、作品の呼吸や流れを体感し、かつてどこかで感じた感情と出会うかもしれない。


ここは、避難所でありながら、思考が彷徨う境界でもある。個々の経験の蓄積を内包しつつ、「自己」「記憶」「存在」についての問いを投げかける空間となるだろう。

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