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三人展「ねこ・ネコ・猫」
Wed, Mar 11
|Moon Gallery & Studio


Time & Location
Mar 11, 2026, 1:00 PM GMT+9 – Mar 15, 2026, 7:00 PM GMT+9
Moon Gallery & Studio, 台東区北上野2-3-13 上野ダイカンプラザ102
About the event
本展では、「猫」は、愛らしさを再現するための存在ではない。絵の中でそれは、作家の内側を静かに受けとめる器のように立ち現れる。警戒しながらも誇示しない、その抑えた気配が、感情の置き場となる。
ここでは、柔らかな描写よりも、絵具が擦れ、押され、削られる感触が前に出る。筆で何度も押し返すうちに、猫の毛並みは描写としてではなく、抵抗の痕として現れてくる。乾いた層と湿った層の間を往復する筆致は、形を整えるというより、触れ続けるための運動に近い。削る、止まる、また削る。その反復のなかで、絵はゆっくりと呼吸を帯びていく。
色は飽和せず、輪郭も柔らかい。荒い筆触の奥に、不思議な静けさがある。削っては残り、また削る。何度も削られ、それでも消えないその姿は、整うことを拒みながら、わずかな光を内に残す。
一方で、猫たちは跳び、よじ登り、ときに逆立ちする。しかし、落ち着きのなさは欠点ではない。収まりきらない生の衝動が、絵の中で形をとっている。決められた秩序に従わず、それぞれの拍で動き続けるその姿は、終わりのない上演のようでもある。
本展は、猫という存在を通して、現実の輪郭に小さな揺らぎを差し込む。三者三様の表現が交わる空間で、観る者の呼吸もまた、どこかで変わるかもしれない。
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