林个个現代書道展「桜の季節を静かに待つ」
Tue, Dec 30
|Moon Gallery浅草分館


Time & Location
Dec 30, 2025, 9:30 AM – Jan 04, 2026, 5:30 PM
Moon Gallery浅草分館, 2-chōme-35-14 Asakusa, Taito City, Tokyo 111-0032, Japan
About the event
詩的表現の書道――林个个の現代書道芸術を評す
文/散僧
文字の表現的書写は、中国では法を重んじて「書法」と呼び、日本では道を論じて「書道」と称する。このような比較的解釈は、馴染み深い文字書写の表層と、具体的な書写行為の観察から生まれた表現であり、厳密な学術的定義ではない。こうした観察表現は、書写形式の表現性を理解する上で便利な側面を持ち、在日詩人・書道家である个个さんの、書道創作に内在する現代的審美情趣や、その詩心と筆跡がもたらす「場」の可能性を認知する出発点となった。
个个さんの現代書道創作は、自身の漲る詩心と、現代書道表現への飽くなき探求に根ざし、伝統的書写道具である筆墨を用いながら、胸に宿す「化」の気を駆使して、書写実践の中で、中国書法の伝統形式を解体・再構築しつづける。じっくりと考えを重ね、現代視覚芸術の現場性を活用しながら、自らに内在する詩的視角を拡張し、漢字書写の審美的視覚性と造形情趣を再構築している。
个个さんの作品は、一字であれ多字であれ、書き手の生命の激情と、世に存在するあらゆる事物への審美的思考に満ち、日常的な生活実践と結びついた文化的属性を帯びている。私が、个个さんの現代書道創作にこうした観察を抱くのは、彼自身が、エネルギッシュな現代詩人であると同時に、真摯に現代書道創作に取り組む書道家という二重性を持つからだ。古代の文人のように詩書を兼ね備えた存在は現代では稀有であり、この両立が、彼に独特の審美個性と文人的情懐を授けている。
个个さんの創作は、文字の抽象的造形本体において、原義に最も近いところでの解体と再構築を通じ、清新な視覚イメージを創出しようとする試みである。原義の骨格を残しつつ現代芸術観念を導入し、詩心による審美的再構築を施すことで、完成された書道作品としての「場」を成立させている。その筆墨からは、伝統書法の枠を突破しようとする軌跡が窺え、日本現代書道からの啓発も看取される。古今東西の芸術に対し、彼は模倣に留まらず、精髄を摂取する柔軟性を備えている点が特筆に値する。
書法と書道は両者とも、漢字文化の表現的継承と発展であり、「知白守黒」「陰陽互生」という伝統的審美理念を基盤とする。个个さんの芸術を仔細に見れば、線や点画が大胆な余白と相俟って、疎には馬を走らせ密には風を通さぬ構成美を形成し、悠然たる造形の中に、趣き溢れる物語性を宿している。直線の爽快と激情もあれば、曲線がうねり、力感に秘めるものもある。大作の雄渾さと小品の幽玄味が、詩人兼書道家としての、彼が天地万物と交感する精神世界を伝えている。
(散僧:上海画院画師・詩人・書道篆刻家・芸術評論家)
