KIMUKIMU個展: The Place In The Middle of Nowhere
10月02日(水)
|Moon Gallery & Studio
日時・場所
2024年10月02日 13:00 – 2024年10月14日 19:00
Moon Gallery & Studio, 東京都台東区北上野2丁目-3-13 上野ダイカンプラザ 1F
イベントについて
KIMUKIMU個展: The Place In The Middle of Nowhere
本展は「The Place In The Middle of Nowhere」をテーマにしている。KIMUKIMUの銅版 画作品に描かれているのは、現実には存在しない、創造された世界、筆を持つと、自分の 周りに新しい世界が育ち、その中で安心して身を潜められる。「Nowhere=どこにもない 場所」の中でも「Place=自分の居場所」を見つけることができるというメッセージを伝 え、人々に内面の世界への視線を向けさせる。
KIMUKIMUは幼い頃から絵を描いて育ち、武蔵野美術大学学部の空間演出デザイン学科に 進学した。しかし、創作への向き合い方が変わる中で、平面への関心が深まり、版画に惹 かれ、版画専攻に転向して、最終的に銅版画を自らの表現手段として選んだ。2021年に 同大学院を修了して以来、自らの道を歩き、銅版画の制作を続けている。
彼の作品は、エッチングを中心に、曲線的な版面と緻密で柔らかな線を組み合わせ、 LGBTQというメタファーを含む「⻆をなくす」というモチーフを探求している。銅版画 という平面メディアの限界は、むしろ彼を繊細な線の表現に集中させ、金属針で刻まれる 鋭い線と、そこから生まれる柔らかな曲線が対照的である。彼の作品を見ると、彼の繊細 で柔らかな性格、技法に対する深い理解だけでなく、刻み、磨き、腐⻝、印刷を繰り返す 仕方で、彼の豊かで奥深い内面世界も紙から飛び出してくるを感じる。
銅版画の制作プロセスそのものが、荒野を歩きながら自分を探し続けるように、摩耗と試練の繰り返しで、版画専攻教授の高浜利也氏は「それは作者にとっては、生きる営みの本質でもある。銅版にやすりをかける、という彼自身の作為はもちろん、⻑い時間をかけて水流に揉まれながら、木が摩耗していくような抗えない自然の循環を常に意識しつづけることもまた、ものをつくりつづける人生の彩となるのだ。」
銅版画作品を通して、KIMUKIMUは繊細な表現で、自己探求と存在についての見方を伝え ている。この個展は、銅版画技法の魅力を伝えるだけでなく、観る者に「自分とは何か」 という問いを投げかけ、自己の存在やその意味について考える対話の場を生み出してい る、という独自の芸術的価値と深い意味を持っている。
展覧会期: 2024年10月2日(水)〜2024年10月14日(月・祝)
【休廊日:10月7日・8日】 13:00〜19:00(最終日は17:00まで)
展覧場所:
〒110-0014、東京都台東区北上野2-3-13、Moon Gallery & Studio