丁萍 (嘉焓)× 胡暁 紫砂二人展「曜砂集」
Wed, Sep 02
|Moon Gallery & Studio


Time & Location
Sep 02, 2026, 1:00 PM GMT+9 – Sep 13, 2026, 7:00 PM GMT+9
Moon Gallery & Studio, 台東区北上野2-3-13 上野ダイカンプラザ102
About the event
展示会期
2026年
9月2日(木)〜9月6日(日)
9月9日(木)〜9月13日(日)
13:00〜19:00
本展「曜砂集」は、宜興(中国の地名)の土と器を照らす光を手がかりに、紫砂の手触りと自然の形をたどる二人展である。タイトル名の「曜」は天にかかる日の光、「砂」は大地から生まれ、窯火を経て器となる土を指す。石、竹、草花、瓜や果実など、身近な自然を見つめる丁萍と胡暁の手から、それぞれの形を持つ器が生まれる。成形の指跡や道具の線は土に残り、光がその細かな起伏を拾い上げる。
丁萍は宜興出身の中国国家級工芸美術師、中国国家一級技能士、江蘇省郷村振興技芸師である。南京師範大学で美術デザインを学び、紫砂花貨の巨匠・蒋蓉の系譜を継ぐ師に師事した。竹の節、花の重なり、果実のふくらみを観察し、壺の胴、蓋、把手へと移し替える。植物の姿を丁寧に捉えた線と、掌に落ち着く穏やかな量感が作品に表れている。長く作り続けてきた花貨の技術が、作品ごとの細部に息づいている。
胡暁も宜興に生まれた。2003年から紫砂壺の制作を始め、蒋蓉に師事した。マニ石積みの均衡、香瓜の丸み、古い陶壺の輪郭、葉のうねりを器の形に取り入れている。土の粒子や削り跡が見える表面には、時間を経た石や古陶を思わせる静かな風合いがある。胡暁の杯には、形を手の大きさまで縮めて考える仕事が見られる。「思語」は、宜興白泥で作られた六客の竹節杯である。節の高さ、口縁の傾き、胴の幅が一客ずつ異なり、同じ土から六つの調子が生まれている。「象形手作杯」では、荷葉、蓮弁、竹影、元宝、八方などの形を、紫泥、段泥、紅泥、本山緑泥といった土に合わせて整えている。
丁萍の植物は、伸びる線と実りの重さを壺に伝える。胡暁の石や古陶は、地面に近い重心と土の粗さを器に残す。二人の作品を同じ会場で見ると、宜興の土が持つ幅広い表情が見えてくる。朝の光は繊細な造形を縁取り、粗い土肌には深い陰影をつくる。器の周りをゆっくり歩き、口縁、節、へた、積み重なる形を眺めてほしい。
「一器に一山を見、一壺に一日の光を蔵す」。小さな器の中に、それぞれの風景と一日の光が収められている。
作家紹介
丁萍(嘉焓)
中国江蘇省無錫市宜興出身。中国国家級工芸美術師、中国国家一級技能士、江蘇省郷村振興技芸師。南京師範大学美術デザイン専攻卒業。
紫砂の「花貨」(自然や植物を写実的に表現する造形)の巨匠・蒋蓉の系譜を継ぐ師に師事した。
たゆまぬ研鑽と師の丁寧な指導のもと、古典性と独創性を兼ね備えた数多くの茶壺を制作。それぞれの作品には豊かな美意識が込められている。長年にわたり紫砂器制作に専心し、紫砂土ならではの質感、多彩な装飾技法、伝統的な成形技術を生かしながら、独自の表現を追求している。その作品は多くの紫砂愛好家から高い支持を得ている。
2025年
2025年香港国際文化芸術博覧会(第3回 ART HONG KONG EXPO)において、作品「合」が金賞を受賞。
「宜窯逸色」2025中国・宜興“五朵金花”陶芸革新作品新年展ならびに第4回「陶城杯」陶芸革新作品コンテストにおいて、作品「金鈴子」が金賞を受賞。
2024年
作品「竹根」1点が天津博物館に収蔵される。
作品「文九」1点が天津博物館に収蔵される。
中国包装創意デザインコンテストのプロフェッショナル部門において、作品「人生逐夢須学竹」が一等賞を受賞。
宜興市丁蜀鎮人民政府が制作を組織した陶芸インスタレーション「陶潭印荷」に参加。同作品は上海大世界ギネスより、「最も多くの高級工芸美術師(紫砂部門)が制作に参加した陶芸インスタレーション」として認定された。
第59回全国工芸品交易会・模造植物および関連用品展(広州)の芸術陶磁器革新コンテストにおいて、作品「事事如意」が金賞を受賞。
2022年
作品「金鈴子」が中国嘉徳国際オークション春季拍売会に出品され、多くの紫砂愛好家から入札を集める。
論文「紫砂作品『紫韻甜瓜』にみる田園的趣について」が『陶瓷科学与艺术』2021年第1号に掲載される。
2020年
作品「華穎」が淮北市博物館に収蔵される。
2019年
作品「秋韻」が江蘇省工芸美術「芸博杯」作品部門で銅賞を受賞。
作品「納福」が第9回河南紫砂芸術祭で金賞を受賞。
2017年
作品「蓮子壺」が中国紫砂博物館に収蔵される。
作品「紫砂柿柿如意壺」が無錫博物院に収蔵される。
2015年
作品「棱花提梁壺」が第17回中国(国家級)工芸美術大師精品博覧会で「中国工芸美術金賞」を受賞。
胡暁
宜興出身の紫砂作家。貴陽大学工商管理専攻を卒業。 2003年より紫砂壺の制作を始め、紫砂花貨の巨匠・蒋蓉に師事しました。伝統的な成形技法を基礎に、自然の姿や日常に残る記憶を器へと映しながら、二十年以上にわたり独自の造形表現を追求しています。
胡暁が得意とするのは、草花や果実などの自然を題材とする「花器(花貨)」と、土の粒子や手仕事の痕跡を残した、粗く素朴な質感の紫砂作品です。滑らかに整えすぎることなく、わずかな歪みや不規則な輪郭を生かすことで、土そのものが持つ温度と力強さを引き出しています。
作品鑑賞
丁萍(嘉焓)



胡暁



