陳玥同 × 張書珍 二人展「共存と嫉妬、そのあいだに生きる母娘」
Sat, Feb 21
|Moon Gallery & Studio


Time & Location
Feb 21, 2026, 1:00 PM GMT+9 – Feb 22, 2026, 7:00 PM GMT+9
Moon Gallery & Studio, 台東区北上野2-3-13 上野ダイカンプラザ102
About the event

現代文化の文脈において、「母と娘」の関係は、単なる血縁のつながりにとどまらず、感情と社会構造のあいだを行き交う存在として立ち現れる。それは家庭内の日常に深く根差しながらも、感情労働、無償の家事労働、母性への不安、出産をめぐる困難といった公共的な議題と交差し、ジェンダー役割が歴史的にどのように形成され、世代を超えて記憶が引き継がれてきたのかを映し出している。

父権的な社会のなかでは、母親が子どもを守ろうとする善意から出た行為であっても、結果的に娘の身体を規制することへとつながってしまうことがある。肌の露出を繰り返し注意することは、娘の探究心を制限し、初潮を迎えた後の「万が一の妊娠」への不安は、過剰な心配や管理へと変わっていく。女性の身体がもつセクシュアリティや生殖能力は、この父権社会のなかで歪められ、拘束や重圧として女性にのしかかる。これは特定の母親個人の問題ではなく、社会的圧力によって母親という存在が不可避的に抱え込まされる変容なのである。

陳玥同は母となって以来、父権社会のなかで自分が「有害な母親」にならずにいるにはどうすればよいのかを考え続けてきた。しかし同時に、その困難さと無力感を痛感し、その過程で、幼い頃には理解できなかった母の言動の一部を、初めて理解できるようにもなった。本展では、母との対話というかたちを通して、芸術の力を借りながら、より穏やかに、より深く母娘関係について向き合うことを試みる。祖母と母、私と母、そして私と娘、百年という時間を横断する、異なる時代の母娘たちの肖像が、ここに重ね合わされていく。

また会期中にはトークイベントも開催し、他の女性たちと出産や生育をめぐる感覚について語り合うことで、より立体的な女性の生のあり方を描き出す。女性は生命を生み出す存在でありながら、この父権社会のなかでは、その「生産の結果」を自らのものとして掌握することができない。新たな生命を生み出す巨大な力であると同時に、それは自身の身体を大きく消耗させる行為でもある。「力」と「破壊」、「生み出す」と「奪われる」、その矛盾のなかで、出産を選ばない女性も少なくない。その選択の裏面には、どのような思考や、どのような避けがたい事情があるのだろうか。
本展では、陳玥同の絵画と実験映像作品によって若い世代の思考を示すとともに、母・張書珍による生活写真や文章を通じて、ひとつ上の世代の女性の視点を提示する。
